国際派の仕事ガイドシリーズ②

■ バイヤー
source from world wide job

何が売れるか、価値があるか。良い品を求めて世界を渡り歩く仕事

●バイヤーってどんな仕事?

―扱う品物によって専門化・細分化―
バイヤーとは、ひとことでいえば物を買い付ける仕事。扱う品物が海外で生産されている場合は、直接現地まで赴き、問屋や店を1軒1軒回って買い付けを行う。衣料品、日常雑貨や玩具から高級ブランド品、骨董品や美術品など、扱う品物によって、専門化・細分化している世界である。

しかし、分野を問わず、バイヤーという仕事の基本は、売れ筋の品物を見極め、リーズナブルな値段で仕入れること。買い付けた品物は売れなければ、即、不良在庫の山となってしまう。デパートや専門店の買い付け部門の社員として働く、フリーとなって買い付けた品物を店に卸す、店のオーナーとなってバイヤーも兼任するなど、働き方はさまざまだ。

―「物」が大好きで交渉力のある人―
とにかく物が好きで、よい物を安く買うことに生きがいを感じる人が向いているのは、どの分野のバイヤーにもあてはまる傾向だ。店を回って品物を選び出す場合が多いので体力も必要。適正な買い値を算出する計算力に加え、値段交渉の手腕が求められる一方、買い付け先と良好な関係を築き、よい品を優先的に売ってもらえるようなコミュニケーション能力も重要。海外で買い付けを行うバイヤーは英語力が必要だが、言葉が通じなくても電卓片手に商談を進めるガッツはもっと大切だ。

●バイヤーになるには?

―専門店で修業するフリーで始める―
骨董品や高級ブランドなど扱う品物の専門性が高く、特別な知識や人脈を必要とする場合は、専門店に就職して買い付け部門でキャリアを積んでいく。一方、エスニック雑貨のように、扱う品物の単価が比較的安い分野では、未経験者がいきなりフリーのバイヤーとして参入することもできるが、この場合も、豊富な商品知識や日本の消費者の好み、適正価格をしっかり学ぶ必要がある。バイヤーをしながら専門店で、パートタイムで働いて勉強するという人が多いようだ。

●仕事はどうやって探す?

流通業界、アパレル業界、さらに専門店の買い付け部門へ就職するのがひとつの方法。アシスタントから始め、チーフ・バイヤーを目指して経験を積んでいく。フリーとしてスタートする場合は、買い付けた品物を扱ってくれる取引店を確保しなくてはならないので、各地の店を回り営業を。最近は、インターネットで通販を行うケースも出てきた。

●気になる収入は?

フリーのバイヤーの場合、基本的には、店に置いてもらった品物が売れて初めて収入になる。エスニック雑貨の場合、木彫りの民芸品や生活雑貨、布など販売価格が数百円から数千円台の比較的安いものが多く、ひとつの店での売り上げは月4、5万円、多くても10万円程度。商品を安定的に扱ってくれる店が10店程度はないと、ビジネスとしては厳しい。

実はバイヤーの仕事でたいへんなのは、物を買い付ける仕事自体よりも、買い付けた商品を流通させ、一般の消費者に買ってもらうことだという。取引店を増やすにはまず、独自の売れ筋商品を持ち、安定供給させることである。また、扱う商品に自分なりのカラーを持ち、バイヤーとしての存在感が認められることも大切だ。

●もっと知りたい! バイヤーの世界

エスニック雑貨界―
エスニック雑貨のバイヤーが結集するのがタイのバンコク。ここにはインド、ネパールさらにアラブなど、広くアジア各国からの品物が集まり、さながら見本市の状態。とりあえずバンコクを押さえれば、アジアのさまざまな国の品をそろえることができるからだ。

ところでアジア各国はここ数年で急速にインターネット環境が整ったため、電子メールで商品取引を行う店も増えている。これからのバイヤーはパソコンを扱えることが必須すとなりそうだ。なお、エスニック雑貨の流通はまだ整っておらず、東京以外では問屋の数も少ない。地方では店で直接買い付けた商品だけを販売していることも。フリーのバイヤーが介在するチャンスはかなりある。

―「バイヤー」の情報はここにある!―
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