国際派の仕事ガイドシリーズ③

■ 国際見本市オーガナイザー
source from world wide job

見本市を企画・主催。世界を飛び回るチャンスもある

●国際見本市オーガナイザーってどんな仕事?

「国際見本市」は、英語で言うと international trade show 。ある産業・分野に関する国内・海外の企業が集まり、商品の展示・新作発表を行うイベントだ。と言うと東京ビッグサイト幕張メッセなどで行われる国際展示会をイメージする人が多いだろう。しかし、こうした一般の人が気軽に出かけられる国際展示会と、ここで説明する国際見本市とは、実は似て非なるものだ。国際見本市の本来の目的は、単なる商品の展示・PRではなく、メーカーなどの出展者と、小売業者・卸売業者などの来場者との間に「商談の場」を作ること。そのため、一般客が入場できない見本市もある。

最近は、どの出展者も「同じ費用をかけるなら実のあるものを」と考えるようになっており、これからは、より専門的で国際的な見本市が増えていくと予測される。開催形態も、日本ではこれまで「社団法人○○協会」「○○省」といった業界団体・公的機関が主催し、実際の企画・運営は広告代理店やイベント会社が請け負うパターンが多かった。これに対し、私企業として国際見本市を企画し、出展者集めから開催まどを行う企業も出てきている。trade show organizer と呼ばれ、国内では「リード エクジビション ジャパン」などが代表格だ。

オーガナイザーの仕事は、ショーの企画、市場調査、産業界や政府への協力依頼、PR活動、出展者の募集活動、来場者の誘致活動など多岐にわたる。

●求められるスキルとは?

最終的に、いかに多くの出展者・来場者を集めるかでショーの評価、ひいては主催会社の評価が決まる。そのため、オーガナイザーに求められるのは、ずばり企画力、行動力、営業センス。また、ショーに関連したパーティーなども多いので、人が集まる所が好きなほうがいい。

海外営業を希望する場合は、年に数回、展示会に関連する国への出張があり、出展交渉をしたり、記者会見をこなしたりするので、かなりの英語力がないと務まらないだろう。また、各国の大使や企業のトップと会うことも多いので、彼らと対等に会話ができるだけの度胸、洗練された話術も必要だ。さらに、海外オフィスがある会社だと、現地スタッフとのやりとりは日常的。展示会の期間中には、現地スタッフも来日するので、その場合もコミュニケーションは英語だ。

●仕事はどうやって探す?

採用状況は企業によってさまざまだが、新聞・雑誌などでの募集は少ないので、自分のキャリアを会社に直接売り込むくらいの積極性がないと、チャンスはつかめないだろう。まずイベント会社や広告代理店に就職してキャリアを積み、転職を狙う方法もある。また、一般入場ができる見本市に出かけ、情報収集に励むことも必要だ。