資金調達コストとは【weighted average cost of capital】

読み方:しきんちょうたつこすと

■資金調達コストとは、企業が資金を調達する費用であり、年率で表現される。通常はWACCと表記して、"わっく"と発音する。

WACCを算出するには、銀行からの借り入れ費用、株式発行による資金調達費用、社債発行費用などを求める。さらに税金も考慮しなくてはいけない。WACCは明快な数式で定義できるが、意味を理解するにはちと時間を要する。

あなたが、住宅ローン金利4%で銀行からマイホーム購入資金を調達したとき、(住宅購入ためのローンの)資金調達コストは4%である。さらに、両親から無利子で頭金相当額を借りることができれば、あなたの住宅購入のための資金調達コストはもっと低くなる。

【例題】個人の住宅購入のためのWACC

住宅ローンで3,000万円(固定金利4%)を調達
両親から無利子で1,000万円を調達

WACC=4%*[3,000/(3,000+1,000)] + 0%*[1,000/(3,000+1,000)]=3%

住宅購入を投資家の視点で評価するとき、あなたの住宅が資金調達コストの3%を上回る利回りを生まない限り、この投資は失敗である。

バブル時代には、土地を購入した後も地価がどんどん上昇したので、投資効率はよかった。ただし、WACC算出時には、地震や火事、地価下落のりリスクも十分に考慮に入れること。


企業価値の計算に用いる割引率には通常、加重平均資本コストと呼ばれるWACC(ワック)を用います。WACCは、株主資本コストと負債資本コストを加重平均して求めます。これは自己資本他人資本の調達コストを荷重平均していることになります。

 WACC = [rE × E/(D+E) ] + [rD×(1-T) × D/(D+E)]

  rE = 株主資本コスト
  rD = 負債コスト
  D =有利子負債の額(時価
  E =株主資本の額(時価
  T =実効税率

ファイナンス理論では、全て時価で考えるのが基本です。しかし、有利子負債のように時価と財務諸表上の簿価とで大きな差がない場合は簿価を使う場合もあります。