■標準偏差とは【standard deviation】
■
σ→シグマ
δ→デルタ
β→べーた
γ→がんま
■標準偏差とは、抽出したデータのバラツキを表します。標準偏差が大きいほど、データのバラツキが大きいということになります。標準偏差の2乗のことを分散といいます。
例えば、違う母集団から10個ずつデータを取ったとします。
母集団A 5 6 4 3 2 5 4 3 5 4 平均4.1
母集団B 9 2 10 3 1 4 2 7 2 1 平均4.1
どちらの母集団も、平均値は4.1で同じですが、一見すると母集団Bの方がバラツキが大きいように思います。これを標準偏差で表すと、母集団Aが1.2、母集団Bが3.3になり、数値的にも母集団Bの方がバラツキが大きいことがわかります。
個々のデータXと、平均Yとの差(X-Y)の2乗の総和を分散といいます。標準偏差は、分散の平方根で表すことができます。手計算では非常に困難な作業ですが、表計算ソフト(エクセル)のSTDEVという関数を使うと、瞬時に求めることができます。
●標準偏差の統計的意味
あるデータのサンプルが、平均値を頂点とした理想的な分布(正規分布)をしていると仮定した場合、標準偏差σは次のような意味を持ちます。
・平均値±1σの間に全データの68.27%が分布している。
・平均値±2σの間に全データの95.45%が分布している。
・平均値±3σの間に全データの99.73%が分布している。
・平均値±6σの間に全データの99.999997%が分布している。
上の例で±3σを考えると、母集団Aは統計上、0.5〜7.7(4.1±3×1.2)の間に99.73%のデータが集約されていることになります。一方、母集団Bの場合は、統計上、-5.8〜14.0(4.1±3×3.3)の間に99.73%のデータが集約されていることになります。
標準偏差は工程における製品のバラツキ具合を示す、工程能力指数などに用いられます。また、最近では経営指標にもなるシックスシグマ(6σ)などが注目されています。
●標準偏差とリスク
ビジネスの定量分析の世界では、標準偏差のことをリスクといいます。つまり、「リスクが大きい=バラツキが大きい」ということになります。
例えば、次のように将来3パターンに分かれる投資案があるとします。
パターン 収益 確率
A 100万 20%
B 50万 60%
C 5万 20%
このとき、収益の期待値は次のようになります。
期待値 = 100万×0.2 + 50万×0.6 + 5万×0.2 = 51万円
ここから標準偏差を求めるには、まず分散(標準偏差の2乗)を求めます。
分散 = (100万-51万)2×0.2 + (50万-51万)2×0.6 + (5万-51万)2×0.2
= 904万円2
ここから標準偏差は次のようになります。
標準偏差 = 約30万円
これを期待値が同じ51万円になるような次の投資と比べてみます。期待値が同じなので、どちらに投資してもよさそうですが、リスクの観点から比較してみます。
パターン 収益 確率
A 71万 50%
B 31万 50%
この場合、
標準偏差 = 20万円
となります。したがって、上と比べて期待値は同じですが、リスクの少ない投資だということがわかります。
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