■株式と債券の意味の違い 

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 ビジネス英語をある程度知っておこうという場合、株式 stock/share と債券 bond は、格別、投資に興味がなくても、企業が元手 capital を集めるための重要な手段ですから、避けては通れません。
 そもそも株式といい、債券といい、何を意味し、どう違うのでしょうか。

  まず株式は会社のオーナーとしての持ち分、厳密には自分たちが出した元手とこれを基に稼いだ儲けの合計(株主資本 owners' equity)に対する持ち分 interest のことです。こうした持ち分を持っている人が株主 stockholder / shareholder で、その持ち分を証明するのが株券 stock certificate / share certificate です。出資して株式を持つと見返りに配当金 dividends がもらえます。

 これに対して債券は、会社に対して貸し付けた元本とその利息を請求できる権利(債権)です。借用証と変わりありません。銀行からの借入金だけでは間に合わないような巨額の借金をしようという場合に、それを例えば一口5万円という具合に小口にして大勢の人から借り入れる仕組みが社債の発行ですが、そのように社債が発行された場合に、個々の小口の借金を表すのが債券です。

 両者の違いですが、万一、会社が破たんして残っている財産を分配することになった場合は、債券保有者が株主より優先されます。次に会社が儲からなかった場合は、株主は我慢を強いられ、配当が見送られるのに、債券の方は基本的に借金ですから、儲からなかったので利息の支払いは見送りますなどとは言えず、ほかから別の借金をしてでも利息を返済し、元本を返済する義務があります。

  儲かった場合は、株主は高額の配当金の支払いを期待できますし、儲かって会社の価値が高まっている分、持っている株式の価値も高くなります。ところが、債券の保有者はいくらその会社が儲かっていても、約束された利息と元本以上のものは期待できません。

アメリカ英語とイギリス英語

 ところで株式と債券は英語でどう言うのでしょう。例によって手元の大型和英辞典を引いてみますと、株式はアメリカでは stock、イギリスでは share、そして債券は debenture、または bond か loan bond だそうです。

 株式がアメリカでは stock で、イギリスでは share かと言うと、そうは言えず、実際はいずれの国でも同じように使われています。例えばイギリスなら株式は share と言っても、それが取引されるロンドンの証券取引所は London Stock Exchange です。また、証券会社を指す stockbroker はイギリスでも同じです。元手の在り高は capital stock ですが、それを割合的単位に分割したものが share ですから、いわばパイの全体に着眼して言うか、その一切れに着眼して言うのかの違いでしかありません。

  なお冒頭で述べたとおり、owners' equity に対する持ち分であるという見地から、株式は equity securities または equities とも言われ、証券会社の業務を指すときはこちらを使うのが普通です。

 債券は bond が普通で、loan bond という言葉は聞いたことがありません。debenture は通じはしますが、bond の方がやはり一般的です。また、証券会社で株式を equity と呼んでいるのと同じ感じで、債券は正式にはfixed income securities(確定利付証券)と呼ばれます。額面が1000ドルで5パーセントのクーポン(利息)が付いていれば、毎年50ドルの定収入 fixed income が得られるので、こう呼ばれます。

 株式、債券とも発行され、売買され、最後には会社に戻ってくるというサイクルをたどります。発行するのは issue、売買するのは trade です。その舞台は、前者が発行市場 primary market 、後者が流通市場 secondary market で、両方を合わせて資本市場 capital market と言っています。

 戻ってくる段階では両者に差があり、株式の場合は、自社株買い share buybacks という形で、発行している会社自ら出回っている自社株式を買い戻します。債券の場合は、会社に戻ってくるということは債券発行で調達した資金を満期 maturity date に「償還する」ことを意味し、これを redeem といいます。名詞 redemption です。